猫舌ヨーロッパ見聞録

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ヨーロッパ駐在生活と、猫・語学・旅行などについて書いていきます。

ベルギーの大学院の卒業式:3つのメッセージ【KU Leuven】

これは2021年10月のお話なのですが、ベルギーの大学院の卒業式に出席してきました。私ではなく、私の連れ合いの卒業式です。連れ合いは2019年の秋からベルギーのKU Leuven(ルーヴェン・カトリック大学)の経済系の大学院修士課程に通っており、2021年2月に晴れて卒業、10月に卒業式を迎えたのでした。

近親者1名まで同席可能ということで、私も参加することに。修士論文の手伝いなんかも少ししていたので、感慨もひとしおです。

 

 

会場はブリュッセル植物園の近くにあるイベントホール。ステージにはピアノが用意されており、生演奏で出迎えです。

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厳かに、というよりは、華やかなセレモニー、といった雰囲気で式が始まります。司会のお姉さんが式次第を述べた後、教授陣からの祝辞が続きます。

式のプログラムとプログラムの間には再びピアノの生演奏が入ります。しかも歌付き笑。日本の卒業式とは全然違いますね。

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その後、学生ひとりひとりの名前を読み上げて修士課程修了の学位授与。驚いたのは、成績によって名前を呼ばれるセクションが変わること。欧米の大学では、成績優秀者に”ラテン・オナーズ”と呼ばれる称号を与える習慣があるのですが、最優秀(summa cum laude)、優秀者上位(magna cum laude)、優秀(cum laude)とその他一般の成績(passing grade)が別々に名前を呼ばれるので、誰がどの成績だったか一目瞭然でした。ちなみにうちの連れ合いはmagna cum laude。なかなかに誇らしかったです。

卒業生の名前が呼ばれるたびに歓声が上がり、和やかで喜びに満ちた雰囲気でした。

 

 

式の最後は、学部長から、社会に羽ばたいていく学生に向けたスピーチ。このスピーチがとても上手で、しかも内容も示唆に富むものだったので、この場で少し紹介させてもらいたいと思います。主だったメッセージは3つです。

 

1つ目のメッセージは、"Be a team player." ビジネスの世界において自分ひとりで進められることには限りがあり、多くのことはチームで進めていく必要があるので、この意識を忘れてはいけない、ということ。

 

2つ目は、"Don't be afraid of coming out of comfort zone." 「コンフォートゾーンから出ることを恐れるな」ということです。仕事をしていると、どうしても慣れた範囲、やりやすい範囲から逸脱することが億劫になりがちですが、一歩踏み出してこそ成長がある、ということ。

『自分には荷が重いかも、という仕事を振られた時、Noと言うべき理由は多くない。なぜなら、あなたの上司は、あなたがふさわしいと思ってあなたにその仕事を振っているからだ。Noと言ってもいい時があるとしたら、ワークライフバランスを優先すべき時だけだ。という言葉が印象的でした。ワークライフバランスを最優先すべき、という考え方はヨーロッパっぽいですね。

 

3つ目が"Work hard." シンプルですが大事なことです。人間どうしても、ふとした時に手を抜きがちですからね。

 

自分に向けられた言葉ではないですが、身が引き締まる思いでした。

 

 

ということで、軽い気持ちで参加したんですが、思ったより感動と学びがあった卒業式でした。改めて、コロナ禍の中一生懸命頑張ってくれた連れ合いに感謝です。

式の後は、連れ合いの友人と一緒にラーメンを食べてお祝いしたのでした。

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